伊勢神宮の御神米
〜その美味しさをあなたに・・・〜
 
おいしいのにあまり売られていないお米

 現在、伊勢神宮では「イセヒカリ」という品種のお米を、神に捧げるお米(御神米)としています。
 時はさかのぼること、平成元年。「イセヒカリ」という品種は突如として現れました。その現れた場所というのは伊勢神宮の水田でした。まるで神が地上に植えたかの様です。きっと宮司さん達もそう思ったのでしょう、このお米は10年近くの間、「門外不出」とされていました。

 そんなドラマチックなお米ですが、話題性だけではなく品質もまた素晴らしいものでした。
 米の美味しさを図る数値に「食味値」というものがありますが、「イセヒカリ」の数値は県の推奨品種基準を軽く超えています。
 他にも様々な環境変化にも強く、「コシヒカリ」などと比べるとずっと栽培しやすい、という特徴を持っています。
 「そんな良い事づくめのお米なら、みんな作っているんじゃないの?」と思うでしょう。ところが「イセヒカリ」は、お米屋さんなどではほとんど見る事が出来ないのです。
 理由は、このお米が登録品種でも推奨品種でもない為です。その為、公的機関や農協による関与がありません。つまり、現在のところ、公の市場では流通する見通しがないお米なんです。

土屋さん
↑ イセヒカリを管理した土屋安之さんです。
  今年の驚異的な夏の暑さにも負けず、
 丁寧に田の草取りをして育てました。
どうして農薬を使わないのか?

 この「イセヒカリ」は強い品種であり、無農薬などの栽培を比較的行いやすいお米です。
 この無農薬や有機質肥料といった栽培。よく安全性ばかり取り上げられますが、「」が最も左右されるという事を忘れないで下さい。

 皆さんは「ナス」を生でかじった事がありますか?
一般的に栽培されたナスだと、飲み込むのにも苦労するほど苦いものです。これは、化学肥料や農薬が原因と言えます。ナスは肥料をたくさん必要とする作物であり、病害虫も多いので、防除の為に農薬も多く使われるのです。
 本来のナスは甘く、かじると青りんごの様な香りがするものです。これが肥料によって大きく変わってしまいます。(ただ、ナスは味付けの濃い料理が多いので、案外苦味に気が付いていない事が多い様です。)

 本来の味を知らずに食べていれば、確かに不満など起きないのかも知れません。ただ、それ以上の発展は得られないでしょう。美味しいものを食べる事は誰にとっても幸せな事、是非追求していきたいものですね。
 ただし、美味しいものを食べるのにも知識は必要です。
 たまごくらぶでは、私達が今まで見つけ出してきた「おいしい食べ物」を通じて「食」に関する知識をできるだけ多くの人と共有していきたいと思っています!
 誰もが皆、「美味しい!」と笑えるようなものを、一緒にたくさん見つけていきたいと考えています。


★ 神がまいた奇跡の米、イセヒカリとは? ★

 10月15日から25日にかけて、伊勢神宮では神嘗祭(かんなめさい)が行われます。これは、その年に取れた新米を最初に神様に捧げて感謝する行事です。
 この神嘗祭で神様に捧げるお米の事を御神米といい、何年もの間「コシヒカリ」が捧げられていました。(その当時、一番美味しいお米だったから?)
 その流れが平成元年の秋、台風の到来と共にガラリと変わることになります。
 この年、伊勢地方は2度の台風に見舞われ、御神田で作られていた「コシヒカリ」は軒並み倒されてしまいました。「コシヒカリ」は倒れやすい品種なので、これだけの台風に晒されれば当然の結果ではありました。
 しかし、そんな台風にもかかわらず水田に真っ直ぐ立っている稲株が2株だけあったのです。その稲は太く短く、とても力強いもので、どうも「コシヒカリ」とは違うようでした。詳しく調べてみた結果、なんと新品種だったのです。
 まさに「神が与えたもうた新品種」であると考えられました。
 その後、この米は何年もの間、神の米であり、神殿より門外不出とされていました。しかし、平成8年にはそれを改め、まずは各県の神社に分与が行われました。そしてこの年、伊勢神宮ではこの米を正式に「イセヒカリ」と命名し、「コシヒカリ」に代わって神嘗祭で神に捧げられる様になったのです。
 社会が進歩して行き着いた今、何か意味のある気がしませんか?

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