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世界の「発酵食品」!

発酵食品について

発酵食品といえば何を思い浮かべますか?
味噌、醤油、チーズやヨーグルト、その他にも色々とありますよね。
お酒やパンだって発酵食品です。

味噌 煮大豆に麹を混ぜ込んで半年から1年程度発酵させます
納豆 煮大豆に納豆菌を種付けして保温して24時間程度発酵させます
日本酒 蒸したお米に麹を混ぜ合わせ発酵させます
カマンベールチーズ 生乳に白カビを吹き付けて発酵させます
鰹節 煮て乾燥させた鰹に青カビを何度もカビ付けして熟成させます
キャビヤック アッパリアス(海鳥)を内蔵や肉を取り出したアザラシに詰め込んで数年熟成させます
ナタデココ ココナッツの汁にナタ菌を加えて2週間ほど発酵させます
メンマ ゆでた竹(まだ竹になりきれてないもの)を乳酸発酵させます
ザワークラフト 生キャベツを乳酸発酵させて作ります

「味噌は医者いらず」と昔から言われ、コレステロール抑制や胃がんなどの予防、整腸作用などに良いと言われます。
また納豆についても、血圧を下げる効果や、動脈硬化にもよいという事が言われます
発酵食品は身体に良いものばかりなのです!

発酵は文化である

日本人は昔から発酵食と共に暮らしてきました。それぞれの家庭の中で味噌や醤油、甘酒を仕込み、生活と発酵は切っても切れないほど密接したものだったと言えます。
ぬか床から、たくあんやキュウリを取り出してきて夕食に添えるといった風景は、どこの家庭にもありました。
もちろん近代社会においても、味噌汁や漬け物などは食べ続けられています。
(家庭の中で独自に発酵食品を作るといった風景はあまり見なくなりましたが)食文化は容易に無くなるものではありません。

しかし、利便性/経済性を追求した結果、発酵食品も製法が簡略化(短期間製造)されて来ているのも事実です。
味噌を例にとると、通常10ヶ月〜1年の熟成を要するところ、最短だとわずか数週間で熟成を完了させてしまうといった短縮化ぶりです。
一時期の「発酵ブーム」などにより、色々と見直されてきた面はありますが、「発酵」を急ぐ事でいわゆる「熟成」が失われている気がするのです。

発酵食品はなぜ身体に良いのか?

「発酵食品は身体に良い」という言葉は良く耳にする事と思います。では、何が体に良いのでしょうか。

①消化吸収が良い

細菌が物質を細かく分解するため、身体に消化吸収されやすい状態に変化しています。
また、分解・脱水により、栄養成分がギュっと凝縮された形になる為、栄養素を無駄なく効率的に身体に取込む事が出来るのです。

例えば、甘酒は発酵により分解された糖が多く、すぐにエネルギーとして使う事が出来ます。 俳句の夏の季語には「甘酒」が入っていますが、これは栄養が足りない時代に夏を乗り切る為、安くて消化吸収の良いエネルギー源として飲まれて来た事に由来されています。

②身体の免疫力を上げる

発酵食品には乳酸菌や酵母や酵素など生きた力が含まれています。
それも人間にとって有用な物質を生み出す力です。
細菌には繁殖のために他の細菌を寄せ付けない様に、抗菌物質や殺菌物質を生成したりもします。
これらを摂取する事で、身体の免疫力を上げる事が出来ると言われています。

免疫が上がった例として、広島大学の教授が味噌を使った免疫力に関する実験を行いました。
それは放射線で被爆させたマウスに、「味噌を入れたエサ」と「味噌を入れないエサ」をそれぞれ与え、マウスの放射線量を観察するという実験です。
実験の結果「味噌を入れたエサ」を食べたマウスの放射線量が、極端に低減された事が確認されたと発表されました。発酵食品である味噌の力が、免疫力を高めたのだそうです。
(東日本大震災後に福島で講演会を行い、この実験結果をお伝えしたそうです)

③長期保存ができる/味が良くなる

発酵を行う目的としては最も分かりやすいかもしれませんが、発酵食品は旨い&長持ちするという事です。
味が良いのは、発酵により旨味成分であるアミノ酸がつくられる為です。
もう一つの長期保存ができる点については、「発酵」により有害な細菌が繁殖できない状態を作り上げるため、「腐敗」状態になりにくいのです。
これが昔から発酵食品が作られている大きな理由なのだと思います。

良いものを美味しく長く食べられるなんて、まさに人類の知恵ですよね。


「発酵」と「腐敗」

発酵、腐敗ってなに?

細菌がモノを分解し、別の物質に変化させる事を「発酵」または「腐敗」と言います。

「発酵」と「腐敗」は細菌の働きとしては同じものですが、分解した結果が変わってくるので、その働きによって呼び分けをしているのです。
呼び分けは、人間に有用な物質を作る細菌の働きを「発酵」と言い、人間に取って有害な物質を作る細菌に対しては「腐敗」だと言っているのです。
という訳で「発酵」とは、細菌が栄養素を分解し人間に有用な別の物質に変化させることを言います。

つまり、人間の都合で「発酵」か「腐敗」かが決まっているのです。
その基準も曖昧で、先に例としてあげた「納豆」や「キャビヤック」など、その国の人にとっては発酵食品であっても、外国の人には腐敗物である事が十分ありえます。
特に「キャビヤック」などは強烈な臭いがするらしいので、なかなか発酵食品としても受け入れてくれる人は少ないかもしれません。

「腐敗」した物を食べるという事

ただ「発酵と腐敗が同じものなら、腐ったりカビが生えても気にせず食べても大丈夫なのか」といえばそうではありません。
確かに、白カビや青カビ自体には毒性はなく、発酵にも利用されている菌です。
しかし単純に放置してたモノにカビが生えた場合、例えば青カビが目立っていたとしても、他にも様々な菌が混じっている事がほとんどです。
その見えていなかった菌が強い毒素を作り出す事も十分あります。
発酵食品の様に、菌を管理して増殖させた場合とは異なるので、食べないようにしましょう


発酵仮面、小泉武夫先生

和食の素晴らしさについて語る

小泉武夫先生と
講演会後に小泉武夫先生と一緒に
和食は長寿の秘訣デス!

奄美大島には長寿の方達が多い事をご存知でしょうか。
これは昭和36年と同じ食生活を、今でも続けている事が大きな要因であると考えられます。
一方、長寿県と言われた沖縄は、戦後にアメリカの文化が流れ込み、食生活が菜食中心の和食から、肉食に変化していきました。
どこの家庭にも「ランチョンミート」という加工肉の缶詰が常備されている状況で、昭和30年頃の食事と比べると、油の摂取量は4倍、肉に至っては6倍に増えているのです。
その結果、沖縄は今や長寿では無くなってしまいました。

和食の主菜は、「1. 根・茎」「2.葉菜」「3.果菜」「4.豆(大豆)」「5.山菜・茸」「6.海藻」「7.米・雑穀」からなり、これらは全て植物から出来ています。そして肉や魚、卵は副菜に位置しているのです。
これを聞くと、野菜中心の食事だとタンパク質が不足すると心配されるかもしれません。しかし和牛肉のタンパク質が17〜18%であるのにに対し、大豆のタンパク質は16〜17%もあるので、植物だけでも十分なタンパク質を取る事が出来るのです。

和食である植物食は繊維質が豊富で、消化するのに長い腸が必要です。
日本は植物食の食習慣が古来より続いてきたので、繊維質を消化する為に日本人は腸の長く発達した民族となりました。 (急に肉食になっても、数世代程度では植物食向きの腸は変わるものではありません)
つまり日本人には肉食は向いておらず、植物食(和食)の方が日本人向きの食事なのです。

和食の特徴
  • 日本は水が良いので、米を水で食べる「粒食」の民族で、鍋や釜の文化として出来上がりました。(外国は水分を飛ばして食べる「粉食」の民族だから、フライパンの文化なのです。)
  • 日本食には哲学がある事から、わび・さびという心のある食文化が出来ました。
    食べ物には塩と水を除いて全てに命があるという考え方から「(命を)いただきます」という言葉が生まれました。神々に祈りを捧げる諸外国と異なり、日本は直接食べ物に「いただきます」と語りかけるのです。
  • 日本の味の表現は世界一です。五味(甘い・辛い・苦い・塩っぱい・酸っぱい)に旨い(うまい)という言葉が和食から出ました。
  • 日本には発酵食品が世界一多いのです。日本料理の献立として「一汁三葉(いちじゅうさんさい)」という言葉があります。飯と汁物をベースとして、漬け物と煮物や焼き物等で三品という意味です。つまり味噌汁や漬物といった発酵食品は、昔から毎日食べていたのです。

時代が変化した今、昭和30年の食事を取れと言われてもそれは無理な事でしょう。
しかし、和食の中核を形成している発酵食品を少しでも食事に取り入れる事をしてはいかがでしょうか。